コーヒーは植物学的には数十の種がありますが、飲用目的で栽培され流通しているのは主に「アラビカ種(Coffea arabica)」と「カネフォラ種(Coffea canephora、通称ロブスタ)」の2つです。また、「リベリカ種(Coffea liberica)」も一部地域で栽培されていますが、商業的にはあまり流通していません。
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コーヒー三大原種
コーヒーの品種は「アラビカ種」「カネフォラ種」「リベリカ種」の3つの原種に行き着きます。これらは「三大原種」と呼ばれ、それぞれ以下のような特徴を持っています。
- アラビカ種: 繊細な酸味と甘味を持ち、高品質なコーヒーの代表。
- カネフォラ種(ロブスタ): 高い耐病性と苦味、カフェイン含有量が特徴。
- リベリカ種: 独特の香りと苦味を持つが、流通量は少ない。
1. アラビカ種(Coffea arabica)
- 原産地: エチオピア
- 樹高: ~3m
- 葉: 濃緑、楕円形
- 稔性: 自家稔性
- 特徴:
- 世界中で最も多く栽培され、コーヒー生産量全体の58~63%を占めます。
- 標高の高い地域で栽培され、病害虫(特にサビ病)に弱い。
- ストレートコーヒーとしての飲用に適しており、繊細な風味と豊かな酸味が特徴です。
主な品種
- ティピカ(Typica):
- アラビカ種の中で最も古い品種。
- 甘味ときれいな酸味、なめらかな質感が特徴。
- 生産性が低く、現在では品種改良が進んだ他の品種が主流。
- 市場で単一品種として流通していることは稀で、本物のティピカを見分けるには高い知識と経験が必要。
- ブルボン(Bourbon):
- マダガスカル島(現レユニオン島)にイエメンから移植されたものが起源。
- 小粒豆で、甘味、濃厚感、まろやかさが特徴。
- 樹が弱く隔年収穫のため、量の安定性に欠ける。
- 品種改良が進んだ結果、単一品種での流通は少ない。
- カトゥーラ(Caturra):
- ブルボンの突然変異種。
- スクリーンサイズ14~15の小粒豆。
- 生産性が高く、酸味や渋みがやや強い。
- カトゥアイ(Catuai):
- ムンドノーボとカトゥーラの交配種。
- 樹高が低く作業がしやすい。
- 生産性が高く、病害虫に強い。
- 赤実と黄実の両方が存在。
- ゲイシャ(Geisha):
- エチオピア原産の品種で、アラビカ種からの突然変異によって生まれたとされています。
- 独特で華やかな香りとフローラルな風味、繊細な酸味が特徴。
- 中米のパナマで栽培されることで世界的に評価され、希少性が高いため高価。
- 品質の高いゲイシャ種は、特にスペシャルティコーヒーとして人気があります。
2. カネフォラ種(Coffea canephora)/ロブスタ
※カネフォラ種の品種は主にロブスタに限られるため、「カネフォラ種」は一般的に「ロブスタ」と呼ばれることが多いです。
- 原産地: ビクトリア湖周辺から西アフリカ
- 樹高: 3~6m
- 葉: 表面が波状
- 稔性: 自家不稔性
- 特徴:
- 低地で湿潤な土地を好み、高温多湿な環境で栽培可能。
- 生産量はコーヒー全体の37~42%を占めます。
- 強い苦味と高いカフェイン含有量を持ち、病害虫に強い。
- ストレートで飲むにはあまり適さず、ブレンドやアイスコーヒーに用いられることが多い。
3. リベリカ種(Coffea liberica)
- 特徴:
- 大粒の豆で、独特の香りと苦味を持つ。
- 商業的にはあまり流通せず、特定地域での利用が中心。
アラビカ種とカネフォラ種の使い分け
- アラビカ種: 繊細な風味と豊かな酸味を持ち、ストレートコーヒーに適しています。
- カネフォラ種(ロブスタ): 強い苦味と深いコクが特徴で、ブレンドやアイスコーヒーに使用されます。