コーヒーの抽出方法はバリスタの数だけと言われるほど、多岐に渡ります。
みなさんはいくつ知っていますでしょうか?
さっそく紹介していきます!
CONTENTS
浸漬式と透過式
コーヒーの抽出方法には、主に浸漬式(しんししき)と透過式(とうかしき)の2種類があります。これらは、コーヒーの粉にお湯を通す方法が異なります。
特徴 | 浸漬式 | 透過式 |
---|---|---|
抽出方法 | お湯にコーヒーを浸す | お湯をコーヒーに通す |
抽出時間 | 長め(3〜4分) | 短め |
味わい | コクが深い、しっかりとした味 | クリアで軽やかな味わい |
油分・微粒子 | 含まれることが多い | フィルターで除去 |
以下で「浸漬式」と「透過式」それぞれ代表的な抽出方法を紹介します。
浸漬式
浸漬式は、コーヒーの粉をお湯に浸し、一定時間抽出を行う方法です。抽出の仕方がシンプルで、時間をかけてじっくりと味を引き出すのが特徴です。
フレンチプレス
抽出方法
抽出器具は「フレンチプラス」と呼ばれるのが一般的ですが、「コーヒープレス」「カフェプレス」とも呼びます。温めたガラスポットに挽いたコーヒーを入れ、上からお湯を注ぎます。蓋をして数分間待った後、上からフィルターを押し込んで完成です。コーヒー豆の挽き具合は中挽きから粗挽き、お湯の温度は98℃、抽出時間は3〜4分が一般的です。
特徴
フィルターがメッシュ状なので、コーヒーの油分や微粒子が残り、コクがあり、リッチで濃厚な風味が楽しめます。風味が強く、マウスフィール(口当たり)がしっかりしています。
エアロプレス
抽出方法
コーヒー粉とお湯をエアロプレスのチャンバーに入れ、一定時間浸漬した後、手動でプランジャーを押し、お湯をフィルターを通して圧力で押し出します。
特徴
圧力をかけて抽出するため、エスプレッソに近い濃厚さを持ちながらも、透過式に比べると滑らかで柔らかい味わいです。フレンチプレスに比べると、クリアさが少し増します。
ボイル(イブリック)
抽出方法
トルココーヒーとして知られる伝統的な方法。非常に細かく挽いたコーヒー粉と水を金属の小鍋(イブリック)に入れ、砂などを使って徐々に温めて沸騰させます。砂を用いることで均一に熱を伝え、ゆっくりと抽出するのが特徴です。
特徴
濃厚で重厚な味わいが特徴。粉がそのままカップに残るため、独特の口当たりと、長く続くアフターテイストが楽しめます。
サイフォン
抽出方法
サイフォンの下部フラスコに水を入れ、上部にコーヒー粉をセット。加熱することで水が上昇し、コーヒー粉と接触して抽出されます。火を止めると、コーヒー液が下部に戻ってくるという物理的なプロセスを利用します。
特徴
クリアで複雑な味わいが得られます。香りが高く、バランスの取れた風味が特徴です。透過式に近いですが、よりリッチな味わいが得られます。
透過式
透過式は、お湯をコーヒーの粉に注ぎ、重力を利用してお湯がコーヒーを通過することで抽出を行う方法です。均一でクリアな味を引き出しやすいのが特徴です。
ペーパーフィルタードリップ
プアオーバー
抽出方法
通称「ハンドドリップ」です。コーヒーフィルターをドリッパーにセットし、コーヒー粉の上からお湯をゆっくりと注ぎます。1杯から3杯のコーヒーを抽出することが可能です。
特徴
バリスタによるお湯の注ぎ方次第で味わいが大きく変化します。酸味や苦味をコントロールすることができ、軽やかな口当たりが楽しめます。
バッチブリュー
抽出方法
自動でお湯をコーヒー粉に注いで抽出する、コーヒーメーカーによる方法。一定の時間や温度で機械が行うため、手作業が少ないです。
特徴
機会によってブレることなく一貫して均質な抽出が可能で、安定した味わいが得られます。プアオーバーに比べて少し平坦な風味になることが多い。
ネルドリップ
抽出方法
布フィルターを使用してお湯をコーヒー粉に注ぐ、非常に手間のかかる方法。フィルターがコーヒーの油分を適度に残しつつ、微粒子をしっかりキャッチします。フィルターは何度も繰り返し使えますが、そのフィルターの管理も大変です。
特徴
滑らかでまろやかな風味。ペーパードリップに比べるとコクが強く、口当たりがソフトです。長時間使用できるフィルターで、風味が豊かになるのが特徴です。
エスプレッソ
抽出方法
極細挽きのコーヒー粉に高圧のお湯を短時間(約25秒)で通過させ、濃縮されたコーヒーを抽出します。専用のエスプレッソマシンが必要です。
特徴
濃厚で強い味わいが特徴。クリーミーなクレマが表面に現れ、苦味と甘味、酸味のバランスが非常に良いです。エスプレッソは他のドリンクのベースにもなります。
エスプレッソについて、詳しくはこちらの記事を参照してください。
難易度・味の特徴まとめ
今回紹介した抽出方法の難易度と、味の特徴をまとめました。
抽出器具 | 抽出方法の難易度 | 味の特徴 |
---|---|---|
フレンチプレス | ★☆☆☆☆ | コクがあり、濃厚 |
エアロプレス | ★★☆☆☆ | エスプレッソに近い濃厚さ、滑らか |
ボイル(イブリック) | ★★★★☆ | 濃厚で重厚な風味 |
サイフォン | ★★★★☆ | クリアで複雑な味わい |
プアオーバー | ★★★☆☆ | クリアでバランスの取れた味わい |
バッチブリュー | ★☆☆☆☆ | 安定した味わい |
ネルドリップ | ★★★★★ | 滑らかでまろやかな風味 |
エスプレッソ | ★★★☆☆ | 濃厚で強い、クリーミー |
まとめ
浸漬式はよりリッチで重厚な風味が特徴で、透過式は軽やかでクリアな味わいが魅力です。それぞれの抽出方法を試して、好みのコーヒーを探してみてください。